『◇◇ちゃん、誤解やねん。一度会って話そ』
あれから二週間。
治くんから毎日のようにメッセージが来ているけれど、私はそれを無視し続けた。だって、あんなの。しかも昼間っから若い女と。許せるわけがない。
けれども治くんのことを好きだという気持ちは積み重なるばかりで、毎日治くんのことを想っては溜息をついている。
はぁ、会いたいなぁ。会いたくて会いたくてしょうがない。
いつもの昼休み、ランチルームの隅でお弁当箱を片付けた私は、一枚のハガキを手にとった。後輩ちゃんから渡された結婚式の招待状の、返信用のハガキだ。
「行ったら会っちゃうよなぁ……」
けれども、私は彼女の指導社員だし、行かない選択肢などない。出席にマルを付けて、おめでとう! とお祝いのメッセージを書いた。
結婚したら農村地区に行ってしまう後輩ちゃんは、今後はリモートワーク中心になるらしい。便利な時代になったなぁと思うと同時に、会えないのって寂しいよね、と思った。
それは、彼女に対してだけじゃない。治くんに対しても、会えない寂しさを感じていた。
ああ、会いたいな。会ったら、どんな顔すればいいのかな。
結局バタバタしている間におにぎり×こだわり米の原稿は完成し、仕事で治くんに会う前に、北さんと後輩ちゃんの結婚式の日が来てしまった。