後輩ちゃんと北さんが、ふたりでご飯に行ったらしい。
……進展早くない!?
私と宮さんが出会ったのと、後輩ちゃんと北さんが出会ったのは同じ時期だったはずだ。なのにこちらは何も無しで、後輩ちゃんはふたりでご飯。しかも家まで送ってもらったとか。それ以上は何もないとは言っていたけれど、それも怪しい。
何、この差!?
ていうか、私、宮さんのこと気にしてる!? ないない! 仕事相手だし! イケメンだからって、そんな狙ってないし!
……た、たぶん。
熱くなった顔を手で仰ぎながら、〇〇ちゃんとの話に頭を切り替える。
彼女に「次はいつ北さんに会うの?」と質問してみたら、まさかのまさか、墓穴を掘ってしまった。
「次は水曜に写真を撮りに行って簡単な取材をして、その次は◇◇先輩と一緒におにぎり宮さんでの対談ですね」
おにぎり宮さん。
宮さん。宮さん。
わ、この可愛らしい後輩が、宮さんとご対面しちゃうの!?
「わ~、〇〇ちゃん宮さんに会っちゃうのか~!」
気がついたら、そう叫んでいた。そう思ってしまったのだから仕方がない。だって、宮さんと後輩ちゃん、会わせたくないと思ってしまったんだもの。きっと宮さんも私みたいなパンツスーツ女より、後輩ちゃんみたいなゆるふわスカート女子の方が好きに決まっている。
「宮さんがどうかしたんですか?」
「……めっちゃイケメンなの」
それだけ言うと、私は机に突っ伏せてしまった。数秒そうしたあと、デスク横の棚に並んだ地域情報誌のバックナンバーを取り出す。そして、『おにぎり宮』の掲載されたページをぱらりと捲った。
後輩ちゃんが宮さんに惚れちゃうのを阻止せねばならない! なぜだかそう思っていた。
「ね、北さんとどっちがタイプ!?」
「た、確かに宮さんもイケメンですね」
「ね、ね、どっち!?」
「……どっちかと言うと北さんかなぁ」
「ほーら!そうなんじゃん!」
北さんの方がタイプ、と聞いてホッとしてしまう自分がいる。あ~、もう。ほら、私、宮さんのこと気になってるんじゃん。ばかだなぁ。あんなイケメン、私のことなんか相手にしないに決まってるのに。
はぁ、でも、宮さんのことはあまり気にしないようにしなきゃ。
そう思いつつも毎日彼のことを考えて、そうしているうちに八月に入り、『おにぎり宮』での対談の日が訪れた。