すき、だいすき、あいしてる。
抱きしめられたい、キスをしたい、抱き合っていたい。
それが分かった今、素直にそれを伝えられる。そのことが単純に、とても嬉しい。嬉しくってしょうがない。
ねぇ、信介さん。これからはずっと一緒にいようね。好きだよ。大好きだよ。
なんて伝えたら、信介さんは照れて真っ赤になってしまった。この人、赤くなるんだ。可愛すぎでしょう。
ねぇ、今度は私から抱きついてもいいかな。あなたはどんな顔をするのかな。そういうのも、いいな。
そんなことを思いながら、ふたり笑い合った。
それから数ヶ月が経った。
青々とした海に面した白いチャペルには、讃美歌が響いている。足元に伸びたドレスの裾が眩しい。これを自分が着る日が来るだなんて、今この瞬間でも信じられないのだけれど。
今、私はウェディングロードを、父親と手を組んで歩いている。白くたなびくプリンセスラインと、飾られた花たちから漂う香り。参列している人たちの顔。
父親の手から、信介さんの手へとバトンタッチされて、私は彼の方に進んでいく。緊張で固まっていた顔を上げると、タキシードを着た信介さんが私の顔を見つめていた。それは、大好きなひとの、やさしい笑顔。
信介さんが手を差し出して、私が手をとる。誓いの言葉を交わして、指輪を交換して。海をバックに交わす誓いのキスは、これまででいちばん優しいキスだった。真冬だというのに空は晴れていて、降り注ぐ陽があたたかい。鳴り響く讃美歌と、たくさんの笑顔たち。
沢山の人々に見守られながら、私はこの人のお嫁さんになる。
ねぇ、信介さん。出会ってくれてありがとう。好きになってくれてありがとう。猛アタックしてくれてありがとう。これからどうぞよろしくお願いします。
彼が笑って、私も笑って、みんなが笑う。手を取り合った先には、明るい未来が笑っているような気がした。
【了】